私達の住む地球は、大きさで見ると直径12,742キロメートル。
直径1,392,700キロメートルの太陽と比べると随分と小さな星に感じます。例えば地球がビー玉くらいの大きさだとすると、太陽は直径1メートルの大きな球。望遠鏡で見たら太陽の表面の小さな点に見える「黒点」(周囲よりも温度の低いスポット)も実際には地球よりも何倍も大きなものがあるほどです。
とはいえ、それはあくまで太陽と地球を比較したときの話。人間にとっては地球がとても大きな星であることに相違ありません。そんな地球上にはいったいどれくらいの生き物が住んでいるか、考えたことがあるでしょうか。
地球上にはご存じの通り、様々な生物が暮らしています。大きく分けても、動物、植物、原生生物、菌類、細菌(バクテリア)、古細菌(アーキア)などに分けられます。それを細かく分ければ、ゾウやキリンなどの哺乳類、トカゲや蛇などの爬虫類、ワシやスズメなどの鳥類、カエルやイモリなどの両生類、サケやメダカなどの魚類、アサリやミル貝などの貝類、カブトムシやハチなどの昆虫、コウガイビル、サナダムシなどの扁形動物、スギやマツ、サクラなどの木、ヒマワリやアサガオなどの花、ゾウリムシやアメーバなどの原生生物、キノコやカビなどの菌類・・・ここまできて(いや、もっと手前で)多くの人は思うでしょう。「地球上にどれくらいの生物がいるかなんて判るわけない!」
その通りですよね。
大きな哺乳類だとしても、例えば森や林の中で暮らしている夜行性の動物の個体数を計測するのが難しいのは容易に想像ができます。ましてや空を飛ぶ鳥や海の中の魚たち、目に見えないくらいに微小な原生生物の数なんて、推測さえも出来ません。日々研究を重ね、フィールドワークを行っている研究者や学者であってもおよその数を推測するしかないわけですが、それも個体の総数ではなく、種の総数となります。そして、その数字(地球上の生き物の種の推定数)は一般の人が聞いてもかなり幅があるものなのです。フィールドでの計測や標本のデータなどから統計学的に推定(統計的推定と統計的仮説検定)された「地球上の生き物の種類の数」は、なんとおよそ500万~3,000万種。中には1億種という説を唱える人も。
2011年、カナダのノバスコシア州の州都ハリファックスにあるダルハウジー大学とアメリカ合衆国ハワイ州のハワイ大学のチームが発表した数字は870万種で、陸に650万種、海洋に220万種。今までに発見され、生物学的に分類されている生物の総種数(既知種数)はおよそ160万種~175万種(このうち、哺乳類は約6,000種、鳥類は約9,000種、昆虫は約95~100万種、維管束植物は約27万種)なので、人類は地球上にいる生物の3割に満たない生物しか発見していない、ということになります。
数字に幅がある理由としては、発見されていない、分類されていない、ということももちろんありますが、環境の変化などにより、激減したり絶滅したりしてしまう種もいるということ。全ての種が発見されるまでに1200年以上かかるという話もありますが、1200年の間に絶滅してしまう種もありそうな話ですよね。
判っているようで、まだまだよく判っていない地球上の生命体。特に深海のことは未だ知られざることが山のようにあるといいます。ある日突然、とてつもない生き物が見つかるかもしれないと思うと、わくわくしますね。