深海で300万年受け継がれる自己防衛システム

「深海の世界は死の世界」

過去にはそう思われていました。

ところが、研究の結果、現在では、深海も沢山の生き物が生息する世界であることが判明しています。

とはいえ、深海は超高圧・低温の闇の世界。

ちなみに、「深海」とは一般に200メートルより深い領域を指します。水深が70メートルを超えると、水面からの光の99.9パーセントが水に吸収されてしまい、そこから下はほぼ暗闇の世界が広がります。

 

そして、この深海の世界では、我々人類の想像を超えた生命の営みが行なわれているのです。

ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワの動画では、設置したエサに深海の魚たちが集まる様子が映し出されています。

中にはそのエサに集まる魚を狙う捕食者の姿も。

しかし、襲われる方も防御システムを300万年の間に培っています。

この動画では、エサに寄ってきたヌタウナギの仲間がヨロイザメに狙われても、見事撃退するシーンが紹介されていますのご覧下さい!

(*動画の下にネタばれ解説しています)

ヌタウナギの仲間は、体の側部に沿って70~200個もの粘液の放出孔を装備しており、実際にサメが噛みついた瞬間に粘液を放出させ、サメの鰓に粘液をからませて窒息を狙います。実際にサメの口の周りにはうっすらとぼやけて見える粘液が絡みつき、苦しそうにのたうち回る姿が…ヌタウナギも噛みつかれはしたものの、ダメージは最小限のようです。

こんな生物同士の攻防が300万年もの間、水深数百メートルの暗闇の中で行われていることを考えると不思議な気持ちになりませんか?

ビッグウェル ブライトマン

好きなことはスキーとゲーム 英国の大学を卒業 専攻は海洋化学

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